おたふく風邪は大人になってから罹ると重症化の危険がある!
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)と言えば、かつては冬から春に渡って流行していましたが、最近では季節に関係なく一年中あちらこちらで流行しているようです。
幼稚園や小学校、中学校と集団の中にいる機会が多い年代では、一人が感染症に罹ってしまうとクラス中は勿論のこと、学校中が蔓延してしまうことが良くありますが、おたふく風邪も例外なく一気に広がる傾向にあります。
おたふく風邪で治療を受けられる患者さんの多くが、15歳未満と言うことからも流行を食い止めるためには適切な治療、ウイルスを拡散させないような対策を取る必要があります。
このようなおたふく風邪ですが、それではおたふく風邪は大人には無縁の感染症、決して罹ることのない感染症?と言うことではありません。
大人でもおたふく風邪のウイルス、ムンプスウイルスに感染することがあります。
子供が学校などで感染し、家庭に持ち込んでウイルスを拡散させてしまい、家中の人がおたふく風邪に罹ってしまう可能性も否定できません。
大人でも感染するおたふく風邪ですが、子供が罹った場合とでは症状等に大きな違いはあるのでしょうか?
大人のおたふく風邪の症状
おたふく風邪になると次のような症状が現れてきますが、子供と大人の症状に大きな違いはないと考えて良いと思います。ただ合併症には十分注意を払う必要があると言うのが、大人のおたふく風邪と言えるでしょう。
おたふく風邪と言うくらいですから、初期段階では普通の風邪と症状はほとんど同じと考えて良いですが、顕著な症状としては次のようになります。
・ 耳の下が腫れて痛む!
・ おたふく顔になる!
・ 熱が出る!
・ 全身がだるくなる!
・ 頭痛がする!
・ 吐き気がする!
このような症状がおたふくい風邪に感染すると現れてきますが、先ほども記しました注意すべき合併症は、男性が感染した場合と女性が感染した場合とでは違いがありますから、十分注意する必要があります。
< 男女共に発症する可能性のある合併症 >
● 髄膜炎(ずいまくえん)
・ 頭痛や発熱、嘔吐などの症状が見られる!
・ 10%の方に発症!
● 脳炎
・ 痙攣等の症状が見られる!
・ 0.1~0,2%の方に発症!
● 膵炎(すいえん)
・ 嘔吐や腹痛などの症状が見られる!
● 難聴
・ 片側の耳だけが聞こえ難くなる!
・ 発症頻度は極めて少ない!
< 男性に発症する可能性のある合併症 >
● 睾丸炎(こうがんえん)
・ 思春期の男子の4人に1人 が発症!
・ 成人男性の20~30%に発症!
・ 腫れが生じると共に高熱と痛みも見られる!
・ 片側の睾丸に起きることが多い!
< 女性に発症する可能性のある合併症 >
● 乳腺炎
・ 思春期の女子の3人に1人が発症!
・ 高熱や胸に痛みを生じる!
● 卵巣炎
・ 成人女性の7%に発症!
・ 高熱や下腹部痛が生じる!
● 流産
・ 妊婦さんが感染した場合は流産の可能性が高くなりますから、おたふく風邪には十分注意を要します!
妊婦さんがおたふく風邪に感染した場合、一番怖いのが流産ですから、おたふく風邪のムンプスウイルスに感染しないためには、人混みの中に入る時にはマスクを着けるなどの対策は必要ですし、帰宅時にはうがい、手洗いは必ず行うようにしなければいけません。
まとめ
おたふく風邪は一度罹ってしまうと、二度と罹ることはありません。これまで罹ったことが無い方は、重症化する合併症の発症を防ぐためにも、ワクチン接種を受けるようにした方が良いでしょう。
水に触れると起きやすい主婦湿疹は手の病気!
日常的に水と接している方と言えば家庭では主婦、職業としては調理師や美容師、理容師などが挙げられますが、こういった方の手に起きるのが「主婦湿疹」と呼ばれる「刺激性皮膚炎」です。
水に触れる機会の多い方の手に、どのようなことが起きているのか?
現在水仕事の多い主婦の方、今後、水と接する仕事に就かれる方の参考になれば幸いと思い記述いたしました。
主婦湿疹
主婦湿疹は水を使う方に多い疾患なのですが、その他の紙やゴムなどに触れることでも起きると言う特徴があります。
主婦湿疹の原因
主婦湿疹の原因は次のようなことによります。
手の表面の皮脂膜は手を保護する役目がありますが、水を使ったり、洗剤を使ったり、紙やゴムを扱うことで過剰に取れてしまうことが起こってしまいます。
それにより皮膚のバリア機能は低下を辿り、ほんの少しの刺激でも湿疹が起こることになります。
主婦湿疹の種類と症状
主婦湿疹はタイプ別に2に分けられるでしょう。
一つは「乾燥型」、もう一つは「湿潤型」になり、症状に違いがあります。
● 乾燥型主婦湿疹の症状
乾燥型は秋、冬に多くみられ、痒みを伴う湿疹と共に次のような症状が現れてきます。
・ 手の平や指がカサカサになる!
・ 皮が剥けたり、薄くなる!
・ 指腹のひび割れやあかぎれが起きる!
● 湿潤型主婦湿疹の症状
湿潤型は春、夏に多く見られ、痒みを伴いながら次のような症状も見られますます。
・ 手の平や指、甲などに痒みの強い紅斑(こうはん)が現れる!
・ 丘疹(きゅうしん)や水疱(すいほう)が見られるようになる!
主婦湿疹の予防
主婦湿疹の予防は、水に触れる時には手袋を使用するのが一番良い方法と言えます。
家庭の主婦では手袋を使っても問題は生じないと思いますが、調理師が手袋をしていたのでは見た目の悪さなどから商売としては不適となるでしょう。
また、美容師に手袋をしてシャンプーされたことがありますが、洗われた感触に若干の戸惑いを感じた後は、再びその店には訪れてはいません。
主婦湿疹の予防には手袋の使用が効果的ではありますが、商売的には不適と言わざるを得ませんので、水に触れた後の処置に気を付けることが主婦湿疹には重要と言えるでしょう。
・ 水に触れた後はワセリンやハンドクリームで保湿や保護に努める!
・ 洗剤は弱酸性商品を使う!
・ 原液を直接皮膚に触れない!
・ まめに皮膚を保湿する!
また、ゴムは主婦湿疹の原因にもなりますから、ゴム手袋を使用する際はまず、綿製品の手袋を着けます。
そして、その上からゴム手袋を嵌めるようにした方が良いでしょう。
まとめ
主婦湿疹と水は切っても切れないような関係で、悪化することが多いですから、市販されている保湿剤やクリームで改善が見られない場合は、早期に皮膚科を受診した方が良いでしょう。
百日咳は大人も罹る感染症!乳児の感染は命が危険!
お子さんがいらっしゃらない方でも、百日咳と言う言葉を知っている方が多いと思います。
百日咳は子供の定番的感染症の一つとして良く知られており、乳児が感染した場合には、命の危険もある怖い病気なのです。
ところが、最近は大人にも感染することが多くなっていると言うことですから、大人が百日咳に罹ってしまった場合は、乳児と同様の症状、命の危険なども考えられるのかを調べてみました。
百日咳
百日咳は「百日咳菌」による感染症で、咳やくしゃみによる飛沫感染で罹ることが多い疾病になります。
百日咳の症状
百日咳は、百日と言う名前が付くくらいですから、咳が長く続くと言う特徴があります。
抵抗力のない乳児が感染しますと、けいれん性の呼吸困難を起こして死に至るケースも少なくありません。
大人の百日咳
大人が百日咳に罹ってしまった場合は、乳児のように命に危険が及ぶことは殆ど無く、風邪と似た咳や発熱などの症状が出たとしても軽く済みますからあまり心配する必要はないでしょう。
しかし、夜間に発作のような激しい咳が出たり、息を吸うときに音が鳴る喘息と間違える可能性もありますから注意をする必要があります。
大人が百日咳に罹っても、軽い風邪と思ってしまう方が多いのも事実で、百日咳の強い感染力により、知らない間に自分の乳児に感染させてしまう危険も十分あります。
このようなことも考えると、自分自身の咳が風邪程度と考え、十分処置しない場合は菌をまき散らす結果になり、乳幼児を始め子供たちに百日咳の危険を与えることになり兼ねない、と言うことも理解しなければいけません。
咳が出る病気は沢山あると言うことを理解し、自身が咳やくしゃみをしている場合は、子供や周囲の人たちを感染させてしまう可能性が高いと言うことです。
百日咳の予防
百日咳を予防するにはワクチンが有効なのですが、接種後4年を過ぎると効果は低下を始め、初期には84%もあった効果が8年を経過すると41%まで落ち込む、つまり効果が薄くなっていくと言うことです。
ですから、ワクチンを子供時分に受けていたとしても、成人になる頃には百日咳が何時感染しても可笑しくないと言うことになります。
そして先ほども触れましたが、百日咳は感染力が強いですから、周りに咳をする方がいたり、自身が咳やくしゃみをしている状態でしたら手洗いやうがいの励行は勿論のこと、マスクをして感染者を増やさないようにすることも百日咳対策としては重要になります。
また、コショウなどの刺激物によって出るくしゃみが菌をまきちらし、感染者を増やす恐れもありますから、十分気を付けるようにしてください。
まとめ
百日咳は子供が罹る病気で、大人は免疫が出来ているので感染しないと思っている方もいるようですが、これは間違いです。百日咳菌が体内に入れば、子供でも、大人でも百日咳を発症する可能性がありますから、咳やくしゃみには十分注意するようにしてください。