顔のニキビが悪化した!カビが原因?
日本の夏は気温が高く、湿度が高いことで有名なのはご存知のことと思います。
いわゆる高温、多湿とくればカビですから、除湿に注意を払わないと家中がカビだらけとなり、カビ臭さに包まれる状態になってしまいます。
このような夏の時期は暑さと汗と皮脂で、化粧崩れを起こすのが日常茶飯事になっているようです。
そして、一人こっそり鏡を覗いた時には、「福笑いゲーム」の崩れてしまった顔になっているかも知れませんね。
また、夏はニキビが悪化する時期でもありますから、手を抜かないように暑さ対策する必要があるでしょう。
しかし、思うように大人ニキビが改善しないとおっしゃる方も少なくありません。
暑い時期のニキビの対処法としては洗顔をし過ぎない!紫外線を浴びない!乾燥させない!などを実践すればニキビを悪化させないと言われております。
ところが、このような処置を十分しているにも関わらず、ニキビが一向に良くならない!という女性もいらっしゃいます。
そのような時には他の原因でニキビ?が起きている可能性があるようです。
ニキビと思っていたのが、実は「カビ」かも知れない!と言うのです。
先ほどお伝えしたように、カビは高温、多湿を好みますから、顔がニキビと同じような状況だったとしたら症状の悪化は避けられないでしょう。
まして、ニキビと対処法を同一にしていた場合には、炎症が改善しないのは当然のことなのです。
夏に肌の炎症が悪化した場合には、ニキビへの対処法が悪かったからと思うのは当たり前なのですが、改善が進まない時には他の原因と考えて対処した方が賢明と言えるでしょう。
夏に肌の炎症が改善しない場合はニキビではなく、顔カビを疑った方が良いでしょう。
顔にカビが生える?
顔カビによる炎症はマラセチア菌(真菌)が原因になります。
マラセチア菌は人間の皮膚に存在している菌なので、どなたにもいるのですが、肌のバランスが崩れた時には毛穴で増殖し、炎症を起こすことがあります。
マラセチア菌はカビの一種で、高温多湿が大好きですから真夏や梅雨時のジメジメしている時の汗を掻きやすい人に多く発症する傾向にあります。
マラセチア菌による病気
このようなマラセチア菌が原因となる病気は次のようなものです。
● 脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)
脂漏性湿疹はマラセチア菌が原因となって頭や鼻の周辺、脇などに炎症が起きてきます。
ニキビはアクネ菌が原因となって炎症を起こしますから、脂漏性湿疹とは原因菌が違いますので、脂漏性湿疹をニキビと勘違いしても処置しても改善しないのは当然と言えば当然なのです。
● マラセチア毛包炎(もうほうえん)
顔以外の胸ニキビや背中ニキビなどはマラセチア菌による炎症になり、ニキビに似た赤いブツブツが出来ますが、アクネ菌による炎症ではないためニキビ薬では効果はありません。
マラセチア菌による病気は上記のようなものですが、対処法はどのようなものでしょう?
顔カビの対処法
ニキビの薬の効果が認められない場合は、マラセチア菌による顔カビを疑い、早期に皮膚科で診察を受けた方が良いでしょうが、普段の生活では次のような注意が必要になります。
● 洗顔をし過ぎない
・ 洗顔で皮脂を取り過ぎると肌の乾燥を招き、より皮脂が分泌する可能性があり、マラセチア菌の増殖が懸念される。
● 洗髪に注意する
・ 刺激の少ないシャンプーで、爪を立てないように洗う。
● 汗を掻いたら拭き取る
・ 汗を拭き取らずに放置するとマラセチア菌が増殖する可能性があるので、シャワーなどで全身の汗をきれいに洗い流すことが大切です。
● 部屋の湿度を下げる
・ 先ほどから何度も記しましたが、マラセチア菌は高温、多湿が好みですから、部屋の湿度を下げることで菌の繁殖を抑えることが出来ます。
● 食生活を見直す
・ バランスと取れた食事が重要です、とりわけビタミンB群の不足は皮脂の分解が滞ることが多くなりますので、皮脂の過剰分泌に繋がることもあります。またビタミンCも積極的に摂るようにします。
・ マラセチア菌を増殖させる脂っぽい食事を減らす。
● 紫外線を浴びない
・ 紫外線は肌のダメージを大きくしますから、強い紫外線は帽子や日傘などで防ぐようにします。
● 良く寝る
・ 睡眠不足は皮膚の再生活動を滞らせますから、睡眠は肌に取っても非常に重要です。
まとめ
夏の暑くてジメジメしている時は、ニキビが悪化することが多いのですが、アクネ菌が関わっているとは限りません。
マラセチア菌という真菌が毛穴で増殖したことで、肌がニキビのようにブツブツが起きていることもあります。
マラセチア菌はカビの一種で、ニキビのアクネ菌とは別物になりますから、脂漏性湿疹をニキビと勘違いした場合にはニキビの薬で対処しても改善には至らないのが当然のことです。
ですから、夏の時期に肌の炎症が悪化した場合はニキビの悪化ではなく、マラセチア菌による炎症と捉えて皮膚科を受診するのが、確かな対処法と言えるのではないでしょうか。