ハンノキ花粉で口腔アレルギー!?
春を待ち焦がれる動植物は多いですね。
取り分け植物は花を咲かせることが多いですから、見た目にも春を感じやすいと言えそうです。
しかし、春先になると始まるのが花粉の飛散です。
花粉と言えばスギ花粉、そしてアレルギー性鼻炎を思い出される方も多いのではないでしょうか?
花粉症は戦後にスギの木が植林されたことから、春のスギ花粉の膨大な飛散により、多くの方が花粉症を発症させることになったようです。
スギ花粉が花粉症の原因の最たるものですが、ヒノキなどの花粉でも花粉症は発症しますし、秋に咲く花の花粉で花粉症を発症する方もおられます。
秋にはヨモギやブタクサと言った植物の花粉も飛びますから、どんな花粉で花粉症を発症するか、心配になる方も少なくないようです。
花粉さえ飛ぶば、季節に関係なく花粉症が発症すると考えて差し支えないので、年中花粉症に悩まされる方もいらっしゃるということです。
さらに厄介な花粉もありますから、十分注意を要する必要があります。
さて、その厄介な花粉とはハンノキの花粉です。
スギ花粉では、接触することでクシャミ、鼻水、目のかゆみなどの症状が現われてきます。
ハンノキの花粉でも同じような症状が現われますが、さらにこのハンノキと接触すると、他の症状が出現する可能性があるのです。
その症状とは、口の粘膜や喉にかゆみが現れる口腔アレルギーを起こしやすいということなのです。
それも、単に口腔にアレルギー症状が出ると言うのではなく、リンゴや桃などのバラ科の果物、あるいは特定の野菜などを食べた時に、先ほど記したような口腔にかゆみなどの症状が現われるということなのです。
噛み砕いて言いますと、ハンノキの花粉と接触した後にリンゴを食べたり、桃を食べたりすると、口の中や喉にかゆみやイガイガ感が生じるのです。
特に花粉に対して鋭敏な方の場合は、「アナフィラキシー」と呼ばれる重篤な症状が現れることもありますから、クシャミ、鼻水、目のかゆみで治まらない、注意すべき花粉がハンノキと言えるでしょう。
それでは、あまり聞きなれないハンノキとは、どういうものなのでしょうか?
どこに生えているのでしょうか?
ハンノキとは
ハンノキは日本全土に生育しておりますが、特に北海道、北陸に多いようです。
ハンノキはカバノキ科の樹木になりますので、同じカバノキ科のシラカンバやダケカンバ、オオバヤシャブシ、ミヤマハンノキなどの花粉でも花粉症を発症すると考えて良いでしょう。
ハンノキとスギの花粉の飛散時期が重なるため、ハンノキ花粉症であっても、スギ花粉症と誤解してしまう場合もあるようです。
ですから、スギがほとんど生えていない北海道などの地域で花粉症の症状が見られた場合は、ハンノキによるハンノキ花粉症と言うことになるでしょう。
ハンノキの口腔アレルギー
先ほど、ハンノキ花粉と接触後にバラ科の果実を食べると、口腔にアレルギー症状を起こすと記しましたが、どこに花粉症と食物アレルギーの関係があるのでしょう?
実は、花粉にもタンパク質が含まれており、このタンパク質の構造が食べた食物のタンパク質と酷似している場合には、体内に花粉が入って来たと身体が勘違いをしてしまうので、アレルギー反応が起きてくるようです。
● ハンノキ花粉でアレルギー反応
ハンノキ花粉症におけるアレルギー反応は、アレルゲンとなる食物を摂取後、15分ほどで現れてくるようですが、かゆみ以外には口や喉にどのような症状が現われるのでしょう?
● 口腔アレルギーの症状
口腔アレルギーの症状が口内の粘膜、喉に現れるとのことですが、他には唇が腫れたり、咳が止まらなくなることもあるようです。
また、ピリピリ感やイガイガ感、ジンマシン、喘息症状が見られた時もハンノキによるアレルギー反応、口腔アレルギーが現れたと思った方が良いでしょう。
ハンノキ花粉で口腔アレルギーとなるアレルゲン
ハンノキ花粉で口腔アレルギーとなるアレルゲンは、バラ科の果実、特定の野菜と記しましたが、さらに詳しく示したいと思います。
● バラ科の果実
リンゴや桃、なし、サクランボ、イチゴなど
● ウリ科の果実
メロンやスイカ、キウイフルーツ、マンゴー、オレンジ、アボカドなど
● 野菜類
ニンジンやジャガイモ、トマト、セロリなど
● 大豆類
豆乳や豆もやしなど
● ナッツ類
ヘーゼルナッツなど
特に注意すべき食物としては大豆類が上げられるでしょう。
発酵食品の納豆や味噌、醤油ではアレルギー反応を示さないものの、豆乳や豆もやしではアナフィラキシー症状が起こることもあるということを覚えておくと良いでしょう。
ハンノキ花粉症は、スギ花粉症と同じような症状が出るのですが、口腔アレルギーがハンノキ花粉症の方の全てに出るということではなく、7~55%程の方に現れるとのことです。
ですから、鼻水やクシャミ、目のかゆみと言った花粉症の症状があり、リンゴやイチゴ、メロン、ニンジン、ジャガイモ、トマトなどを摂った後に、口内や喉に異常が認められた場合は、ハンノキ花粉症と言うことになるでしょう。
まとめ
ハンノキ花粉症を防ぐには、スギ花粉症と同じようにハンノキの花粉と接触しないようにする、触れないようにする、吸い込まないことが非常に重要です。
そして、野菜類や果物類を食べて口腔に異常があった場合には、早期に原因となっているアレルゲンを特定することが求められます。
アレルゲン食物を摂らないようにしないと、重篤なアナフィラキシーショックに陥る可能性もありますから、十分注意をしなければなりません。