夜起きてオシッコに2回以上行くのは病気?
夜、寝る前に水分を摂っていないのに、寝入ってから急にオシッコをしたくなることはありませんか?
1回位ならまだしも、2度、3度と、起きてトイレに駆け込む人もおります。
トイレから戻って布団に潜り込んだとしても、直ぐに寝付ける場合は良いのですが、夜中のトイレの回数が多いのは、どこか悪いのかな?とか、家の中の様々なことが思い出されては寝付けなくなり、寝不足に陥ってしまう人も少なくありません。
寝る前に飲んだ水分が若干多かったと言う場合なら、何ら問題はないのですが、それほど多く水分を摂っていないのに夜間トイレに行く、いわゆる夜間頻尿状況が続く場合は、何らかの原因で夜中にオシッコの回数が多くなっていると考えていいでしょう。
夜間頻尿は男女共に40歳以上の人に多くなり、4500万人ほどが夜に起きてはトイレに駆け込んでいると言うことになります。
夜間頻尿の原因
夜間頻尿の原因は、夜に尿の量が多い多尿や尿を溜める膀胱の容量減少、さらに睡眠障害に分けることができます。
しかし、この夜間頻尿の原因が今お伝えした以外の病気が原因となっている場合もありますから、夜にたびたびトイレに起きる人は十分注意を要すると言うことになりますが、また塩分の摂りすぎが夜間頻尿の原因になっている場合もあります。
夜間頻尿は高齢者が多いですから、暗いトイレの行き帰りに転んでしまうとか、寝ぼけて階段を踏み外すこともありますから、事故の危険も夜のトイレには潜んでいるのです。
夜にトイレに行くとした場合、排尿する量としてははどれくらいになるのでしょう?
高齢者の排尿量
1日の排尿量は成人で1200~1500CCになりますが、高齢者では1100~1200CCになり、1回当たりの排尿量は200~300CC、高齢者では100~150CCとなりますから、年を重ねる従い減少する傾向にあります。
この尿量が直接、夜間頻尿に繋がっていきます。
これは先ほどもお伝えした膀胱の容量減少、つまり加齢による膀胱の緊張や弾力性の低下も夜間頻尿に関わっていると言うことです。
夜間頻尿の原因は先にお伝えしました多尿や膀胱容量の減少、睡眠障害などになります。
それでは多尿の原因や膀胱容量の減少、睡眠障害としては、どのようなことが考えられるのでしょう?
< 多尿の原因 >
多尿の原因としては水分の摂り過ぎなのですが、夜間の多尿の原因としては、高血圧やうっ血性心不全、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群などになります。
< 膀胱容量の減少の原因 >
何度かお伝えしてきましたが、1日当たりの排尿量は健常者とはそれほど大きな差はありませんが、1回当たりの排尿量に健常者の半分になりますから、それだけトイレに行く回数が増えてくると言うことになるでしょう。
< 睡眠障害の原因 >
眠りについても直ぐに目が覚めてしまう、あるいは眠りが浅いと言うことも、毎日の習慣になり、気に掛かってしまうことでトイレに行きたくなると言う悪循環も、夜間頻尿の原因になるようです。
さらに塩分の摂りすぎが、夜間頻尿にも影響を与えているとの報告がありますので、特に夕食に塩分が多い食事を摂ると就寝中にオシッコに行きたくなることも考えられます。
夜間トイレに行くことが多い人は、食事に塩からい食品が多いと感じた場合は、減塩の食事を摂ることでトイレの回数が減ることも十分考えられます。
また塩分の多量摂取は高血圧を引き起こしますので、高齢者の脳溢血や脳梗塞などの脳疾患の原因となることが少なくありませんから、この点にも十分注意をすべきでしょう。
夜間頻尿の注意点、
夜間頻尿は高齢者が多いですから、寝ぼけて戸棚に脚をぶつけたりしまうことがありますし、眼鏡を掛けないでトイレに駆け込むこともあります。
また、階段を踏み外してしまう可能性も捨てきれません。
大きなケガが生じなければいいのですが、時として骨折などが起きることも容易に想像できます。
ケガが原因となって、一生ベッドの上で過ごす可能性すら否定できないのです。
このように、夜中のトイレには多くの危険も隠れていますいますから、夜間頻尿を改善することは、高齢者には必要なことと考えます。
夜起きて、トイレに行く回数が2回を超えたりする場合、頻尿が気になる時には泌尿器科を受診した方が賢明というものです。
さらに、心機能が低下している時にも、夜間の頻尿が見られることがありますので、高齢の一言で処理せず、体調の異変にも注意をすることで、夜間頻尿の根本原因が明らかになる可能性もあるのです。
まとめ
眠い目を擦りつつトイレに行くのは、実に面倒なことです。
それが2度、3度となると、睡眠不足になることもありますし、寝ぼけてケガをすることもあります。
隠れた病気が原因で頻尿が起きている場合もありますから、「頻尿は年のせい」で片づけずに、しっかり泌尿器科などの医療機関で診察を受けることが必要と言えるでしょう。